事件簿

ヤミ金はどこだ
「佐藤さんが、「僕が立て替えたから、早く払ってくれ」って言うものですから」
山中さんは、うなだれてそうつぶやいた。

話はこうである。
 山中さんは、ある日、携帯電話に「5000万円をもらえる特別な権利があなたに与えられた」というメールが届いているのに気が付いた。特にそういったものに申し込みをしたような記憶はないが、5000万円あれば住宅ローンも完済できるし、前から夢であった喫茶店経営もできるかもしれない。家族もきっと喜ぶに違いない。
 そう思ってメールを読み進めていくと、5000万円の権利を実現するには50万円を振り込まなければいけないということになっていた。それが、主催者に対する権利主張になるし、中東にいる主催者との連絡費用等の諸経費にあてられるという。

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支払督促には既判力はない
「どこの法律相談へ行っても、この書類を見た瞬間に『これじゃあどうしようもないですよ』と言われるだけなんです。どうしようもないから相談に行っているのに」
 相談者は、そう言って、債権差押命令と書かれた書類を見せてくれた。一瞬、「ああ、やっぱりこれではどうしようもないな」という感想が頭をよぎった。
 こうした、差押命令が裁判所から発せられるためにはそれなりの根拠があるからであり、一般的には、判決などによって事実関係が司法の場において判断された書類(「債務名義」と呼んでいる)の存在を前提として行われる。
 だから、そうした判決などの後に事情の変化があったというならまだしも、今更、判決などの前提となった事実関係が間違っていると言っても手遅れなのだ。
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人生の転機
「先生、以前お世話になったウチの従業員のことなんですが、今日、本人から退職願が出てきました。これは、彼女の破産のことと関係があるのですか?」 夏も終わりに差し掛かった頃、ある会社の総務部長から彼女の進退について問い合わせを受けたものの、私には彼女の退職については何の心当たりも浮かばなかった。そういえば、あらから5年が経とうとしている。
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雨のち晴れ
不自然な歩き方をする彼の足が義足であることがわかったのは、 面談を始めて30分ほど経ってからだった。
彼は現在無職であり、月6万円程の障害者年金を受給している。 また、彼の傍らに寄り添っている妻も精神障害を負っており、月6万円程の障害者年金を受給しているという。
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第1回考査の思い出
 平成14年の司法書士法改正により、法務大臣の認定を受けた司法書士に限り、簡易裁判所の訴訟代理業務及び一定の範囲の訴訟外の和解交渉代理業務を行うことができるようになった。
 この条件とされている「法務大臣の認定」を受けるためには、、100時間以上の研修を経て、考査試験に合格することが必要となる。
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